MENEHUNE BEACH STORE 店主のブログ
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プロフィール
HN:
menehune
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/09/15
職業:
サーフショップやってます
趣味:
ランニング、作文、お絵かき、料理、丸太切り、丸太割り、波乗り
自己紹介:
ショップのオープンは2001年。それ以来、ロングボードをベースに、フィッシュ、ボンザー、シングルフィン、ニーボード、パイポとさまざまな種類のサーフボードを作り、試してきました。
 還暦を過ぎて、BASIピラティスのマットインストラクターの資格を取得。年齢に関係なく調子良く動けるカラダ目指しています。
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2007年11月メールマガジンより

シール・ビーチはLAXからフリーウェイを使えば約30分。下道でゆっくり走っても1時間ほどのところにあるこじんまりとしたビーチタウンだ。私が初めて行ったカリフォルニアのビーチはマリブでもなく、ハンティントンビーチシティでもなくこのちょっと地味目なローカルタウンだった。なぜシール・ビーチを選んだのかはよく覚えていないが、まだ今のようにインターネットやEメールが普及していない時代、ガイドブックで探したB&BをFAXのやり取りで予約した記憶がある。

地図はLAXのレンタカーオフィスでもらった大雑把なものしか無く、とりあえず乗ってみたカリフォルニアのフリーウェイの広さとスピードに圧倒されながら目的地へと向かった。一番近そうな出口からフリーウェイを降りたはいいが右も左も分からず、時差ボケの頭で日本からいきなりの右側通行、しかも初めてのアメリカメインランド。文字通り手に汗握りながらあっちでもないこっちでもないと道に迷っていたのは今から考えるとかなりかっこ悪いトラベラーだったようだ。

そんな緊張の中で迷いこんだサンセットビーチの住宅街。どっちに行こうかと、行ったり来たりしているうちに、そこのゆったりとした雰囲気にそれまでの緊張が緩んでくるのを感じた。車通りはほとんどない静かな通りの中央分離帯には植栽が生茂り、その向こうに並ぶビーチハウスの間からは白くまぶしい砂浜が静かに広がっているのが見渡せた。中央分離帯にはシャワーがあり、そこでは海から上がってきた姉と弟らしき2人がロングボードを抱えてシャワーを浴びていた。

カリフォルニアに着いたばかりの私は、その光景を見てそれまで勝手に想像していたちょっと怖そうなカリフォルニアでの波乗りのイメージが消えていったのを記憶している。海の中でモタモタしていると「Hey! kook!」なんて怒鳴られてリーシュを切られて岸へ戻され、しょんぼりして車へ戻ってみればドロボウに荒らされて有金盗まれ…なんてまるでKOOKMYERのコミックみたいなことまで考えていたのだから…。

サンセットビーチですっかりリラックスした私は近くで庭木の手入れをしていたおばちゃんにシール・ビーチってどこ?と尋ねると、それはすぐ隣街だということが分かった。

シール・ビーチでの宿からはワンブロック行くともうビーチだった。民家の間の細い砂まみれの道を抜けて初めて見た人影もまばらなカリフォルニアの広いビーチ。海へと傾き始めた太陽の光に照らされた透明な波のリップとそこを滑る数人の黒いシルエットになったサーファー。そしてピア。身体にタオルを巻きつけ、ビキニからジーンズへとビーチで着替えているキュートなカリフォルニアガールたち。「これがカリフォルニア…」という感動はいまでも覚えている。

古そうな木造のピアに行ってみると、海沿いにはレストランやバーがオープンし、観光地ではないリラックスしたローカルな賑わいが伝わってくる。ピアの両側では何人かのサーファーが軽いオンショアが吹く中、夕方のサーフィンを楽しんでいた。ほとんどのボードにはシール・ビーチのローカルブランドでもあるHARBOURのロゴマークが付いているのが見えた。


当時のHARBOURのライダーはTerry Sims。長身のしなやかな身体から生み出されるマニューバが美しくそしてラディカルなサーフィンで当時のロングボードシーンを引っ張っていたサーファーの一人だった。PCHからピアへ真っ直ぐ続いているメインストリートの入り口にHARBOUR SURFBOARDS」の看板を掲げたショップを見つけた。ショップは開いていなかったが、自分が生まれる前の1962年から続く老舗のたたずまいにカリフォルニアのサーフィンの歴史の奥深さを感じずにはいられなかった。

暗くなるにつれてメインストリートの両脇のレストランやバーのテーブルは地元の人たちで少しずつ埋まり始め、楽しそうな音楽と光が歩道へと洩れてくる。そのときは週末だったのかはっきりした記憶は無いが、ホットロッド調のカスタムカーや写真でしかみたことがなかったウディがクルーズし、ちょっとした盛り上がりを見せていた。家族で夕暮れのピアを散歩する人たち。バーのカウンターでビールを瓶のまま一人飲んでいるヒゲ面の労働者風の親父。ピアの横では片付けをしているライフガード。ボードを車に載せて家路へと着くサーファー。そんなカリフォルニアの海辺の街の雰囲気を初めて味合わせてくれたのがシール・ビーチだった。


このときの旅ではシールビーチをスタートにして、南へ下りラ・ホヤの宿に数日間滞在し、周辺のビーチを訪れたと記憶している。20年近く経った今、不思議と記憶に強く焼きついているのはシール・ビーチの砂が浮いた細い路地とそこを抜けた先で目にした夕日に照らされた広い広い砂浜。あの光景だ。静かで落ち着いた海辺の街。刺激を求める旅行者には退屈な街かもしれないが、シール・ビーチにまた行ってみたいと思う。できればまたあの路地を抜けて、夕日の時刻に。

写真は以前にもこのブログに載せましたが、このメルマガの旅行の際に写したシール・ビーチです。デジタルカメラはまだ無く、現像したプリントをスキャンしました。


さて、明日の朝は波あるかな?

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初めまして
こんにちは。 在シールビーチ約10年のHannaと申します。 偶然にも友達がこの素敵な記事を見つけて送ってくれました。 

観光客が増えてもまだまだローカルな街です。 Harbour Surfboardsのロングボード、うちの旦那も使ってます(笑) 毎週末ボードを抱えて桟橋まで歩いてますよ。

もしまたシールビーチにいらっしゃることがありましたらぜひご連絡くださいね。
Hanna 2014/02/13(Thu)04:21:02 [編集]
Re:初めまして
コメントありがとうございます。SEAL BEACH INNというロマンチックなB&Bに泊まりましたが、まだあるのかな?ずいぶん昔の話です。あれから何度か行っていますが、落ち着いた雰囲気で好きな街です。Jessi Colin YoungのSUNLIGHTSという曲を聴くとなぜか、SEAL BEACH思い出します。
http://menehune.blog.shinobi.jp/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3/california
【2014/02/14 14:04】
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