MENEHUNE BEACH STORE 店主のブログ
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プロフィール
HN:
menehune
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/09/15
職業:
サーフショップやってます
趣味:
ランニング、作文、お絵かき、料理、丸太切り、丸太割り、波乗り
自己紹介:
ショップのオープンは2001年。それ以来、ロングボードをベースに、フィッシュ、ボンザー、シングルフィン、ニーボード、パイポとさまざまな種類のサーフボードを作り、試してきました。
 還暦を過ぎて、BASIピラティスのマットインストラクターの資格を取得。年齢に関係なく調子良く動けるカラダ目指しています。
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飛行機を降りるとそこは南国だった。雨で肌寒い東京から履いてきたデニムのパンツは重く、少し歩くだけで汗が吹きだしてくる。空港と対岸をつなぐ橋から見える海と空と雲はまだ真夏のコントラストであった。



というわけで行ってきました、長崎へ。

ここが自分にとっての故郷か?と自らに問うてみますが、だんだんとその意識は薄らいできているように思います。長崎を離れてからもう30年以上経ちます。

移り住んだものにとって、離れてしまった土地はその時で時間が止まっているのです。そして、たまに戻って来てはその変化に驚き、自分がそこにいた時代を懐かしむことしかできません。よく知っているだけに時間に取り残されてしまうことになります。

それでも、長崎名物の坂と階段を登り、高いところから見下ろすと細部はぼやけ、自分が知っている長崎の景色へと時間が戻ったような気がして、少しだけほっとするのです。

階段を登りつめた先にあった青い街区表示板。昔と変わらない町名とそこから見える景色に、ふと昔の残り香のようなものを感じて振り返ります。


坂本龍馬の亀山社中も高台にありましたが、ここも街区表示板と一緒だと、どことなく懐かしい雰囲気。町名と同じ名前の小学校へ小3まで通っていました。


その小3まで住んでいた場所は、ものの見事に様変わり。昔は酒屋さん。今はきれいさっぱり建て替わって、7-11です。脇を流れる川と橋の欄干は昔のままです。


私の母は通りの左側、軽トラの上にあるオレンジ色の看板の先の建物で洋品店を営んでいました。

市場通りに昔の賑わいはありません。お好み焼屋、包装紙屋、貸衣装屋、うどん屋、書店、八百屋に魚屋、個人商店が元気だったころの残り香はほとんどありません。

この商店街の中心に立つデパートは、今年の8月いっぱいで営業をやめてしまったようです。今年はそういう出来事が多く、そのたびに自分の中で火がひとつずつ消えていくような気がしていました。


時間の流れが残酷なものだと感じるようになったのは、それだけの年月を生きてきた証拠かもしれません。

かろうじて営業しているデパートの1階にある市場。市場に漂っている匂いは昔と変わりません。揚げカマボコの油の匂い、うどん屋のつゆの匂い、焼き鳥屋(昔は鰻屋)のタレが焼ける匂い。そんなのが交じり合い、ほんの一瞬だけ市場で遊んでいた子供のころに戻ったような気がしました。匂いの記憶です。


もう少しだけ、街区表示板にお付き合いください。

お寺さんがたくさん集まっているので、寺町。小学校低学年の頃はこの石段を走り回って遊んでいました。


昔は味噌や醤油作りなどに使う麹を作っていたんでしょうね。


どれも長崎に住んでいた私にとっては、なじみ深い町名です。町名を聞くと細部ははっきりとはしないままにも、その場所のイメージがおぼろげに意識の中に浮かんできます。

最後は実家の近く。

中学へ通っていた通学路の、川沿いの細い道。昔と何も変わりません。長崎で街に金木犀の香りが漂うのはちょうど今の季節で、東京よりもひと月遅れ。

文化祭の準備で遅い時間まで学校に残り、すっかり暗くなった道をその日がんばった充実感を余韻に、友達と一緒に帰る道すがらに漂っていたのが金木犀でした。いまでも金木犀の香りをかぐと、あのころの記憶が蘇ってきます。

これだけはいまだ東京の方に違和感を感じる、季節の香りの記憶です。


私はここのちゃんぽんが好きです。味はさっぱりめ。ちゃんぽん麺の唐灰汁の匂いもやっぱり長崎です。


あいまいなもの、あざやかなもの、記憶というものは自分のこころの中から漂ってくる香りのようなものなのかもしれません。

また長崎行きます。




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