フィンの人間工学

毎度なんですが、フィンをデザインしてくれた人にはとても申し訳なく思いつつ、フィンを切りました。

足の外側へ伸びた部分をカットしました。


もともとはボディボード用のフィンなのですが、私の用途はニーボードです。ボディボードとニーボードでは脚の使い方が違うので両側に突き出した部分は使いません。

でも本当に使わないのか？ギモンに感じ始めると、追求してみたくなる性格の私です　笑。

まずは、どうしてこのフィンは左右非対称のカタチになっているのか？というところからです。

おそらくこのフィンをデザインした人は、キックするときの脚の動きを考えたと思います。キックの動きは腰から下、股関節、膝関節、足首関節の屈曲と伸展の動きです。

水に浮いた状態で、脚を蹴り下げる動きと、蹴り上げる動きです。

水泳をやられる方は分ると思いますが、キックをするときは親指同士を近づけるようなイメージで蹴り降ろします。ダウンストロークですが、このとき股関節は内旋位（内また）になります。

この理由は、脚同士が離れてしまわないようにするためです。試しに脚先を外側へ向けてダウンストロークしてみると脚は斜め外側へ開くように（外また、ガニマタとも）動くと思います。前へ進むための推進力を得るには効率が悪い動きだと思います。

脚を持ち上げるときはこれが逆になります。アップストロークです。

立った状態でも良いので、脚を内旋（内また）させた状態で、身体の後方へ蹴り出す動きをやってみてください。どうですか？蹴り出そうとするチカラはモモ裏（ハムストリングス）までで止まってしまいませんか？内旋位だと、この動きに重要な役割を持っているお尻の筋肉（大殿筋）をうまく使うことができません。

脚はアップストロークのときに必然的に外旋位になってきます。これは普通に歩いているときも同じです。

この動きをフィンに当てはめて考えると見えてきます。

足の外側方向（小指側）が突き出しているのでダウンストロークのときは、脚を外旋方向へ持って行くような抵抗が生まれます。脚はこれに対抗して外旋しないように内旋方向にチカラを入れるので、足の外側、フィンが飛び出している方向へ向かうチカラが発生します。

これによってより強い推進力を生み出そうと考えられているのだと思います。

アップストロークのときは逆に足を内旋位に持っていく抵抗を生み出します。脚は内旋しないように外旋方向にチカラを入れ、それが足の外側に付き出したフィンの先まで伝わって推進力を生み出します。

そのためにフィンのブレードが左右非対称にデザインされているのだと思います。

ニーボードはボディボードと違って、モモはボードの上です。脚の動きが大幅に制限されます。動きにともなう脚の内旋と外旋の動きは小さくなります。小さく速くがニーボードのキックになるのです。

足の両外側に大きく飛び出した部分はニーボードのキックには不要です。脚の回旋は小さく、上下の動きは小さく速くとなると抵抗は少ない方が有利です。

もうひとつは、ボードの上にヒザを付く姿勢を取ったとき、ボードからはみ出しているフィンの先が大きいと余計な抵抗になります。スティーブ・リズがフィッシュの形のニーボードを作ったのは、そこにフィンを置くためという理由があったからです。

こんな動画を見つけました。楽しそうなことをやっておられます。


フィンの根本に付けたのはカウリング？ボトムの感触をより滑らかにということなんでしょうか？




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