MENEHUNE BEACH STORE 店主のブログ
カレンダー
12 2026/01 02
S M T W T F S
1 2 3
4 8 9
13 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
最新コメント
(12/04)
無題(返信済)
(11/19)
無題(返信済)
(11/19)
プロフィール
HN:
menehune
年齢:
61
性別:
男性
誕生日:
1964/09/15
職業:
サーフショップやってます
趣味:
ランニング、作文、お絵かき、料理、丸太切り、丸太割り、波乗り
自己紹介:
ショップのオープンは2001年。それ以来、ロングボードをベースに、フィッシュ、ボンザー、シングルフィン、ニーボード、パイポとさまざまな種類のサーフボードを作り、試してきました。
 還暦を過ぎて、BASIピラティスのマットインストラクターの資格を取得。年齢に関係なく調子良く動けるカラダ目指しています。
バーコード
カウンター
[221] [222] [223] [224] [225] [226] [227] [228] [229] [230] [231]
今朝、ランニングの途中で近所の小学校の横を通りかかったら、校庭に子供たちが整列して、校長先生の話を聞いていました。なんとなく聞こえてきたマイクの声に、夏休みという言葉が聞き取れました。

そういえば子供たちは明日から夏休みです。店の前をちょっと多めの荷物を抱えた小学生が歩いていきましたが、頭の中はもうウキウキに違いありません。

小学生のころの夏休み。何やってたっけ?と考えてみましたが、はっきりとは思い出せません。

自然が豊かなところで育ちましたから、山へ入ればカブトムシやクワガタを探して(いるのは大抵、カナブンかスズメバチ)のどが渇けば、渓流の水を飲んで、飲めるくらいきれいな水だったんです。山の上のお寺の縁の下に潜り込んだら、アリジゴクの巣をたくさん見つけたのを妙に覚えています。

海へ行けば、磯遊び。広ーい潮だまりでウミウシやヒトデ、小魚にヤドカリ、父親の晩酌のアテの巻貝を集めたり、一日中遊んでました。トロロ昆布でまいた梅おにぎりが美味しかったな。

プールは市電に乗って、市民プール。くちびるが紫色になるまで泳いで、すっかり冷え切ったからだに、温かいうどんとおでんが美味しかったような記憶がかすかに…。それで結局暑くなって、屋台のおばちゃんのアイス(長崎では、夏になると屋台を引っ張ってアイスを売っているおばちゃんがいるのです。今はチリンチリンアイスと言うのかな)

家へ帰ったら、よく冷えたスイカかトマトをシャブリ。夏休み、うらやましいなあ~。

この唄は、そういう夏休みを思い出す年齢(中高生)になってから染みはじめたと思います。


明日からは昼間も子供たちがうろちょろしてますから、クルマの運転も気を付けましょう。

よしだたくろう、これも懐かしいなあ。おませな子供だったのです 笑。


ユーズドボードアップしました。
MENEHUNE BEACH STOREホームページ



春夏秋冬、気候が移り変わる日本では、それぞれの季節によって美味しい食べ物があります。いわゆる「旬」と呼ばれるものです。暑さや寒さ、降雨量などの気候条件が、野菜や魚など自然の恵みをより美味しくしてくれます。

食いしん坊の私は、こんなことを書いているとすぐにアタマの中が「今晩何食べようかなあ」になってしまって、どうやってもここから、タイトルのウェットスーツへアタマが切り替わらないのですが、「実はウェットスーツにも旬があるんです」と無理やり舵を切ってしまいます。

もちろん「旬」だからと言って美味しくなる訳ではありません。

それでもウェットスーツで美味しい部分は?と考えてみると、みなさん一番敏感なのはおそらく生地の柔らかさじゃないでしょうか。誰もが分かりやすい部分だと思います。店にぶら下がっているウェットを見ると、つい袖を引っ張って伸ばしてみたくなったりします。

けれどもウェットスーツの宿命、ラバーの宿命。使っていると時間とともにだんだんとラバーが硬くなってきてしまいます。

硬くなってきてしまうのは避けられないことですが、柔らかさを今までよりも長く持続させることができないか?と考えたのが素材のラバーを製造する時期です。

ウェットの素材になるネオプレーンラバーを製造するのに一番いい時期は真冬の気温ができるだけ低いときだそうです。この時期に作られたラバーは柔らかさが持続する期間が長くなるのです。製造メーカーにおよそ3割ほど長い期間、柔らかさが長持ちするというデータがあるそうです。

そして、そのラバーを使ったウェットスーツがこれです。

AXXE CLASSIC プレミアムゴールドラバー(仮称?)

ジッパーもロゴもSCSまで金色です(金色じゃないバージョンもあるそうですので、金色趣味じゃない人はご安心ください)

確かに触ってみると普段使っている生地よりも、モチモチ感が多いです(お尻の部分のみ従来の生地を使ってますので、比べることができます)結構違うもんだなあというのが正直な感想でした。

真冬に製造したラバーの原反を適切な管理のもとに保存して、今年の秋冬のウェットスーツに使ってしまおうというユニークな試みです。生地には限りがありますので、すべてのウェットにという訳には行かないのですが、来月10日前後から限定数量を設けて受注を開始するようです。

ラバーの製造時期で、柔らかさが変ってくるなんて知りませんでした。面白い取り組みだと思います。

オーダーの方は追ってお知らせします。フラップドライのプレゼント付き早期受注キャンペーンもやりますのでお楽しみに。


さて、九州のEさま。今日の出荷に間に合いました。BOOGIE行きまーす。


そして、ユーズドボードにカツさんのボンザーが入荷。むちゃくちゃ調子いいやつです。


若干、仕事が追い付いていない感が…。頑張ってますので、もう少しお待ちください。





ユーズドボードが二本入荷しました。ドナルド・タカヤマのスコーピオンと、カワミナミカツサーフボードのミニをベースにしたクアッド、どちらもレングスは6’8”です。



アップロード鋭意作業中です。どちらも素敵なボードですのでご期待ください。昨日のブログで書いた、ウェットスーツのお話はまた明日にいたします。暑いですしね。


よく言われることは、サーフショップのブログでこんなにマメに更新しているのは珍しいですね、ということ。言われてカレンダー(左上)を見てみれば、確かにそのとおり。今月は定休日の木曜を除けば、皆勤賞です。

もしかしたらこういう人をマメと言うのかもしれませんが、ただ文章を考え、書くことが好きなだけです。正月に屠蘇のつまみにした、おせちの黒豆のおかげかもしれません。

まあ、みなさまの暇つぶしにでもなれれば幸いでございます。


さて、肩の痛みにおそるおそる入水した週末の波乗りですが、動かせば治るんじゃね?は誤診ではなかったようです 笑。まだ微妙に硬さは残っていますが、痛みは無くなりました。よく眠れています。

夏が過ぎれば、52歳。自分でもにわかには信じられない数字ですが、身体の衰えで実感している部分も多いにあります。身体を動かすのもいいのですが、動かすと同時に、積極的に休めることの必要性を多いに感じています。

積極的休養は、いまのところ動的瞑想(ストレッチ)と静的瞑想が、カラダに気持ちいいことです。30分くらいは平気で座れるようになりました。不思議ですが、疲れが抜けてやる気が出てきます。

そして、4月から始めた減量作戦。現在の体重は、63.5キロ前後で目標達成いたしました。

体重があるときには、大台(70㎏)まで数百グラムということもありましたから、3ケ月で約6キロのマイナスです。某ライザップなら、ン十万円か。うちもプログラム組んでやるかな。たっぷり食べられるので空腹感はありません。酒も飲み放題です 笑。

でも、食べるものに関心があって、カラダを動かすことが好きな人ならだれでも簡単にできると思います。

体重が減って、一番良いことはパドリングです。最近、パドルが強くなったと感じていたのですが、これは体重が減ったという要因が多いに関係していると思います。

いらない体脂肪を落とすと、波乗りは絶対的に調子良くなります。加齢は誰もが避けられないものですが、年齢に応じて、その時にベストと思われるカラダをキープしていくことはそんなに難しいことではありません。

そのおかげで、まだまだ楽しめてます。

道具のおかげも多いにあります。


8’4”のプリモ。嬉しくって店でずっといじっています。レールのラインとボトムのロッカーの関係を見たり、ボリュームのバランスやボトムのコンケーブを見ながら、こいつで波を滑っているときのことを想像して、にやけています。

身体も調子いいですが、ボードも調子いいのです。ロンガーさんに絶対乗って欲しいプリモ8’4”です。

明日は、ちょっと面白いウェットスーツのお話しをしてみようと考えています。


ユーズドのマンダラ、アップしました。ホームページでチェックしてください。




夏本番が近づいてきたせいなんでしょうか、サーフィン始めたいんですけど~というお客さんが男女混交で、よくいらっしゃいます。

現状では、ユーズドボードでサーフィンを始めるのにちょうど良さそうなものが無く、最初からカツさんやクリステンソンのカスタムボードもハードルが高そう(お任せいただければ作りますけどね…)なので、最初はこんな感じのボードが良いよ~、サーフィン楽しいよ~とレクチャーだけにしています。

そんな中で、サーフィンやってみたの?と聞くと、みなさん同じように楽しそうな顔をして、はい昨日やりましたとか、はい午前中やってきたんですと答えてくれます。

それで、面白かったの?と聞くと皆さん、ハイ!と。何をしていいのか、どんなボードを選べばいいのかもぜんぜんわからないけど、波乗りやりたいんです、と嬉しそうに答えてくれます。

そんな純粋に楽しそうな顔を見ていると、よっぽど面白かったんだろうなあと、改めて波乗りの楽しさを教えてもらったような気持ちにさせてもらったりしています。

波乗りの面白さって、いろいろあると思います。

テクニック的なもの、波のコンディション、友達と一緒に行く海など、その他にもたくさんあります。

でもいろんなことを抜きにして、海へ行って波の力で海の上を滑ること、立ち上がっても、腹ばいでも、どんな格好でも、横に行こうが、真っ直ぐ滑ろうが、波を滑っているときの感触はとにかく楽しいものです。

波乗りをはじめたばかりのころは、誰もがそうだったと思います。

いつの間にか忘れていたかもしれません。

上手い、下手くそ、長い、短い、どーでもいいじゃないですか。みんな波に乗ることを楽しんでいるんです。

逆にいろいろと教えてもらっているようです。

サーフィンは楽しむもの。上手に波に乗れるようになることだけじゃなく、楽しそうに波に乗ることも忘れてはいけません。






今日はハッピーなことがふたつです。

まずはひとつ目。

先週末から小ぶりですが、めずらしく波が続いた湘南。それに合わせるかのように突然発生した肩の痛み。左の肩甲骨と背骨のあたり。痛くて寝返りも打てず、ずっと寝不足でした。

なのでずっと海は我慢。だいぶ改善してきたと思われる、昨日も我慢。

でも今日はもう我慢の限界。痛みは残ってますが、逆に動かしたら治るんじゃね、というバリバリの民間療法的判断、というよりとりあえず海浸かれるだけでもいいや…とi行ってきました。

なんか、今日が一番いい波だったみたいです。

コシ・ハラ、セットでムネプラス。

最初は恐る恐る9.6の赤いログで入ってみましたが、とりあえずパドルはできるみたい。軽めのボードで面白そうな波だったので、8.4のプリモにチェンジしました。

写真撮るの忘れたので過去の写真です。プリモ8’4”


何度でも言いますが、これ最高です。

滑り出し速いのは当たり前ですが、スムースで速くて動きが軽い。ひみつはプリモのトライプレーンコンボボトムです。ボトムの水の流れをスムースに流しつつ、水流のリリースも軽いので動きが軽い。

エッジが入ったレールのおかげで、ボードの反応は敏感です。このエッジの入り方にも特長があります。ひっかかるような入り方ではありません(触ると分かるのです)

ログと同じスタイルで乗ることができますが、感触がまるで違うのが面白い。一番はスピード。

シングルフィンでログよりは軽いので、気持ち丁寧めに体重をかけながらコントロールします。

カットバックなんかはサイドフィンがあれば、もっと深く戻れるのでしょうが、シングルの抵抗が無い滑りが好きなので、そちらを優先させることにしてますが、動きを重視する人はサイドフィンを付けてもいいかもです。

どちらにしても、プリモは最高です。乗っていただいている方々からも良いフィードバックをいただいています。



たっぷり波に乗って、おなかいっぱいで帰ってきましたが、今晩また肩が痛み出さないかちょっと怖いです。

ウェットはZEROの、2/1ミリロンスプでちょうど良い感じ。でもお日様がでたら、もう暑そうです。そろそろショートジョンかな。


ふたつ目はこちら。

昨日、カツカワミナミサーフボードのシェイプルーム。

先週、アウトラインを引いてもらった私の新しいログ。ゆっくり削ってますと、ここまで進んでいました。


ここまでくるともう全体の雰囲気が分かってきます。レールのボリュームや、全体のボリュームのバランスが最高。興奮しちゃいました。

ボトム側。ロールは緩めにしてもらいます。今回もノーズコンケーブは無しです。


アウトラインはこんな感じ。今乗っているログと良く似ていますが、ちょっとシャープな感じにしてもらいました。ディメンションは散々悩みましたが、完全にイメージどおり、きれいです。


これに、特製Dフィンをグラスオンです。最高でしょ。

ノーズライダーもクラシックですが、これはそれとは違うクラシック。波を滑る感覚も違って、よりスムースなのです。

出来上がりが楽しみです。


楽しいことがふたつも続いて、今日はハッピーなのです。





マニアックなユーズドボードが入荷しました。マンダラサーフボード ダーククラウド アレックス・コップスとのコラボモデルです。

レングスは、5’11”。アップロード、少しお待ちください。



小ぶりの波が続いているので、ロングボードで出かけてみようと思っていたのですが、背中がイタイ。昨日、何をしたわけでも無いのに左の肩甲骨の内側がクキッとなって、痛いなあと思ったのが夜になって痛みだし、痛みで寝返りも打てない状態。

いわゆる昔から言われている、何が起こったのか良く分からないけれど痛くなる、筋を違えたというやつだと思います。

波乗り痛くてちょっと無理なので、海はあきらめ、ひたすらリラックイメージでゆっくりゆっくり走って上体を緩めて、さらに念入りにストレッチ。

痛みが引いたので改善されたかと思いましたが、夕方になってまた痛くなってきました。首から肩甲骨につながっている部分が張っている感じです。今晩も痛かったら嫌だなあ~。明日は天気悪そうだし、午前中はゆっくりさせていただくことにします。

フェイスブックで面白い映像がシェアされていました。

The Innermost Limits of Pure EDGE from paul ferraris on Vimeo.



ちょっと前のサーファーズ・ジャーナルに、ジョージ・グリノウのエッジボードの記事が載っていましたがそのエッジボードを、マーク・アンドレイニがグリノウとともに作ったもののようです。

エッジボードはもともとはニーボードです。ジョージ・グリノウのスプーンがそうです。スプーンのラウンドボトムにエッジを入れたものです。

結局また、昨日のお話しとつながってきてしまうのです。

昨日のブログの中で、ナット・ヤングが乗っていた、ハイレールのノーズから50/50、そしてテールへとレールが下りていっているサーフボードは、スプーンをそのままサーフボードのデザインに使ったものです。

それにエッジを付けると上のエッジボードになってしまいます。

形がよーく分かる映像がこちら。

Hi Speed Copy 1 from Ryan Lovelace on Vimeo.



ちょっと期待した人もいたかもしれませんが、私はこれは作りませんので 笑。

私はプリモで満足。エッジボードはプリモのボトムデザインにも、関係していると考えています。プリモのスピードのひみつだと思っています。素晴らしいボトムです。ぜひ見に来て欲しいのです。

木曜はまた波が立ちそうです。なんとか治って欲しいのですが…。






サーファーズジャーナル日本語版の最新号、ナット ヤングがプエルトリコで開催された1968年の世界大会を回想し、サーフボードの変革が始まったばかりの時代のボードデザインについて書いています。

プエルトリコの世界大会の映像は、何かの作品の中で見た記憶があるのですが(EVOLUTION?)、出場者が使っているサーフボードは長短さまざまで、昔ながらのロングボードを抱えているサーファーもいれば、短くなったダウンレイラーに乗っているサーファーもいて、少々カオスな様相をもあらわしています。そういう時代なんですね。

興味深いのは、この大会で優勝したのが、ハワイのフレッド ヘミングスということ。フレッド ヘミングスはパフォーマンスというよりは、トラディショナルなきれいなスタイルのサーフィンで優勝しています。

短いサーフボードの(当時としては)ラディカルなパフォーマンスよりも、クラシックなスタイルに重きを置く評価基準だったということです。

サーフボードのデザインが変れば、当然波の上でのマニューバのラインも変わります。サーファーが求めるものもいままでとは変わってくることになります。サーフボードの長さやデザインを含め、多くの変革のきざしがこの大会にはあったとということが書かれています。

ちなみにナット ヤング自身がこのときに乗っていたサーフボードのデザインは、グリノウのニーボードと同じレールライン、つまりノーズエリアはハイレールで、センターは50/50、テールに行くにしたがってレールラインが降りてくるというもの。横滑りを制御しながらコントロールするようなサーフィンだと書かれています。

この大会とオーストラリアへ戻る途中、カウアイ島で見たバンカー スプレックルスのダウンレイルのデザインの有効性に気が付き、すぐに自分でもローレイルデザインを作り始めています。


短い文章ではあるのですが、読んでいて気が付いたのはいま自分がやっていることのほとんどは、この文章の中に入っているということです。

フレッド ヘミングスのトラディショナルなスタイルのサーフィン。クラシックなロングボードです。

ナット ヤングのボードは、ハルデザインの原型。これはかなり前にお勉強しました。フィンの位置とフレックスでスライドするボードを制御する波乗り。

ローレイルは、カツさんがシェイプするボリューミーなダウンレールのシングルフィンやボンザー。ブギーもここに入りますね。

ダウンレイルにハルの要素を少々取り入れたのがプリモ。これが一番モダーンか。

そう考えると、60年代後半というのはとても刺激的な面白い時代だったんだと思います。

この時代のことをもう少し掘り下げてみようと思います。













今日は本のお話し。たまにですが、そういうカテゴリーもあるのです(左下カテゴリー欄をご参照)いま読んでいるのはこの2冊。2~3冊を同時に読むというのは、普通にやっています。


一冊は「一外交官のみた明治維新 上下」。幕末から明治維新にかけての歴史小説にたびたび登場してくる、イギリス外交官のアーネスト・サトウの日本滞在中の回想録です。日本の言葉と文化を良く理解している彼が書く当時の日本のようすは、リアリティがあって物語としてもとても面白い一冊です。幕末史が好きな人はぜひ読んでみてください。

今日書きたいのはもう一冊のほう。ドイツのエーリヒ・ケストナーという児童文学者が書いた「点子ちゃんとアントン」という題名の子供向けの小説。

文章は分かりやすく子供向けに書かれているのですが、大人も素直な気持ちになって読んでみてほしい内容です。

舞台は第二次大戦前のベルリン。裕福な家の娘の点子ちゃんと貧しいけれど懸命に生きている男の子、アントンとの友情のお話し。ちょっとした事件を通して子供たちが大人を変えていく、というようなお話です。

全部で16の章で構成されていて、それぞれの章が終わったあとに「たちどまって考えたこと」として、その章の反省のようなものが書かれています。

そのうちのある一節。アントンは点子ちゃんにイジワルをする門番の男の子を、パンチ二発でやっつけてしまいます。ケストナーはその章の終わりの「たちどまって考えたこと」にこう書いています。

アントンは自分よりも身体が大きな男の子にパンチを二発くらわした。勇気のあるところを見せた、と考える人もいるかもしれない。でもこれは勇気ではない。蛮勇だ。このふたつはひと文字ちがうだけでなく、別の物だ。

勇気は冷静であってこそ持てる。無鉄砲でもなく、頭に血がのぼっていてもだめだ。勇気はげんこつだけでは証明されない。


もうひとつ、最終章で物語の最後に「ハッピーエンドについて」としてこう書いています。ちょっと長いですが、文意でまとめてみます。

この本の登場人物がみんな、それぞれにあっている場所に落ち着いたということで、じっさいの人生でも同じように、ものごとはこうあるべきだというふうに運び、こうあるべきだというふうに終わると思ったかもしれない。

でもいまはそうはなっていない。正しいことが正しく評価されないことだってあるのだ。だからみんなが大きくなったとき、世界がましになっているようにがんばってほしい。ぼくたちは充分にうまくいかなかった。

みんなは、ぼくたちおとなのほとんどよりも、きちんとした人になってほしい。正直な人になってほしい。わけへだてのない人になってほしい。かしこい人になってほしい。

この地上はかつては天国だったこともあるそうだ。なんでもできないことはないんだ。この地上はもう一度、天国になれるはずだ。できないことなんて、ないんだ。



どちらもただの訓話のように聞こえますが、本が書かれた時代を考えてみると、もっと重大なことを言おうとしていることが見えてきます。

この小説が出版されたのは、1931年です。その前の年の選挙では、ナチ党がたくさんの議員を議会に送りこんで第二党の位置を獲得しています。

ベルリンに住むこの子供たちとその親たちは、その後どうなってしまったのか?点子ちゃんとアントンがもしユダヤ人だったら…と歴史の歩みを考えると、そういう時代を作り出してしまった自分たち大人を痛烈に批判しているようにも聞こえてきます。

訳者のあとがきには、ケストナーは地味で時間がかかる方法ではあるが、やがて大人になる子供たちに、正しい判断で正しい世の中を作ることできる、そんな大人になって欲しいとの思いをこの物語で伝えたかったのではないか、と書かれています。


子供のために書かれた、子供のための小説ですが、大人も一緒に読んで、一緒に考えることで素晴らしい未来が訪れることをケストナーは期待したのではないかと思います。

二度映画化もされているようなので、そちらも見てみたいです。







Visitor Map
Create your own visitor map!