MENEHUNE BEACH STORE 店主のブログ
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プロフィール
HN:
menehune
年齢:
60
性別:
男性
誕生日:
1964/09/15
職業:
サーフショップやってます
趣味:
ランニング、作文、お絵かき、料理、丸太切り、丸太割り、波乗り
自己紹介:
ショップのオープンは2001年。それ以来、ロングボードをベースに、フィッシュ、ボンザー、シングルフィン、ニーボード、パイポとさまざまな種類のサーフボードを作り、試してきました。
 還暦を過ぎて、BASIピラティスのマットインストラクターの資格を取得。年齢に関係なく調子良く動けるカラダ目指しています。
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STEAMERさんの試作品が届きました。ご覧の通り、スタイルはロンスプです。試作したのは背中側です。背中のジッパーにストレッチファスナーを使ってみました。


AXXE CLASSICのU-ZIPモデルやオートジップシステムに使われているジッパーと同じ、柔軟性があるジッパーです。

最初は失敗しました。着てみたのはいいけれど、スライダーが引っかかってジッパーが下がらず脱げない 笑。一人で身体をクネらせながらなんとか脱ぎましたが、ただジッパーを替えればいいだけじゃありませんでした。

さて何がダメなんだろうと、ウェットマニアの本領発揮です 笑。あれこれ考え、職人さんと話し合った結果、ジッパーを固定する熱圧着テープの位置がダメなんじゃない?という仮説にたどり着き、考えた通りに修正してもらいました。

正解でした。ウェットマニアは伊達じゃありません 笑。今度は全く問題ありません。引っ張る方向を変え何度も上げ下げしてみましたが、上下の動き共にとてもスムースに動作するようになりました。

着た感じも背中はとても軽い感触です(2ミリというのもありますが)。あとは実際に海で使ってみるだけです。もうひと月も経てば出番になると思います。

このロンスプは、オール2ミリで作りました。ロンスプというと、これまでは3/2ミリやオール3ミリで作ることが多かったのですが、3ミリを使うとどうも暑いと感じるのは気温と水温が高くなっているせいなのでしょうか?オール2ミリで、10月中旬~下旬くらいまで快適です。その後は、年末近くまで3フルになります。

余談ですがロンスプ、つまりスプリングスーツのロングスリーブが多く着られるようになったのは90年代の中ごろのことです。

私個人としては、クラシックスタイルのロングボードのリバイバルと関係があるのではないかと考えています。それまでは秋口は(最近は少なくなった)半袖のシーガルが一般的でした。私も着ていました。

ロンスプを作ろうと考えたきっかけは、ジョエル・チューダーです。ロングボードの雑誌の中で、シングルフィンのロングボードに乗ったジョエルが着ていたブラックラバーのロンスプが、とてもクラシックな雰囲気に思えたのです。

それに加えて、昔からクラゲに良く刺される人だったこともあって(いるでしょ?そういう人 笑)、長袖だったらクラゲ除けにちょうど良いじゃんと飛びつきました。

それで当時、お世話になっていたショップに行き、長袖で半ズボンのウェット作ってくださいと言ったら「変わったの作るねー」と言われました。まだそんな感じだったのです。ジョエルの写真を見て私と同じように感じた人も多かったのか、それからロンスプを着ているロンガーさんを多く見るようになってきました。

長袖のフロントジップの襟付きジャケットもやっぱりクラシックロングのリバイバルがあったからです(ロングジョンとのセットアップも同時代です)。それまでは長袖タッパーでした。

話が反れましたが、そんなロンスプですが、これでテストしたら次はセミドライで試してみようと思います。

一昨年からSTEAMERさんと、首回りの作りやバリアネックの取り付け方、ヒザパッドの廃止(現在はタフジャージ一枚だけになっています)など、いろいろとリニューアルに取り組んできました。首回りが変わったことでストレスが減って防水性が向上しました。バリアネックのリニューアルは、背中の動きとパドルのストレス軽減にかなり貢献していると思います。実際、昨年作った5/3ミリのセミドライは防水性がかなり高く、動きやすいものでした。

加えて、今回のストレッチファスナーを使用することでさらに背中のストレスが少なくなっています。背中のストレス軽減は、パドルのしやすさに大きく影響します。

どうして、それほどSTEAMERのリニューアルにチカラを入れているかというと、一番の理由は最近のウェットスーツの値上がりです。ウェットスーツの素材もサーフボードと同様に値上がりしているのが現状です。セミドライスーツで、¥130.000~¥140.000という価格帯が当たり前になっています。

日本だけでなくそれが世界全体の動きなのですが、そんな中でできるだけ価格を抑えて、できるだけ良いものを提供できたらと考えています。細部の作り込みや最新の技術では、ウェットスーツの最先端の一翼である、AXXE CLASSICの洗練にはどうやったってかないません。ブレインがただのウェットマニアひとり(私)ですから 笑。

それでも、STEAMERは冬の海での保温性と動きやすさという必要最低限の要素は備えています。女性職人が一人で作り上げるウェットスーツです。有名メーカーのように大きな組織ゆえに発生するコストや広告費、ライダーの存在など諸々の費用が発生しない分、コストを抑えながら有名メーカーと同様の高品質素材を使うことが可能です。

素材の質を下げて、価格を抑えることも可能です。でもそれはやりたくありません。

シンプルで地味ですが、しっかりと使用に耐えてくれるウェットスーツを作っています。ロゴ無しオールブラックで、ノーブランドウェットでもOKです。STEAMER SURF SUITS、頑張ってます。よろしくお願いします。


やっぱり私はAXXE CLASSICよ、と言う方には、オーダーフェアを開催中です。秋冬ものオーダー料サービスいたします。


AXXE CLASSIC、STEAMERサーフスーツ、ZEROウェットスーツは、MENEHUNE BEACH STOREウェブサイトをご覧ください。






今回はニーボードやってました。前回の台風のときに、お初のラウンドテールで入りましたがそのときは肩を痛めて、パドルがまともに出来ない状態になってしまったので良く分かりませんでした。

なので、ラウンドテールで出動と思ったのですが、こいつも出来上がってから数回しか乗っていません。(ラウンドピンもスワローも昨年から今年にかけて作り直したんです。シングルフィンばかり乗っていたというのもあります。)


ボードをリニューアルしたのには、何かきっかけがあったはずなんですが、忘れました 笑。変わったのはロッカー、テールとノーズのボリューム。それとアウトラインです。1インチ長く、1/2インチ狭くしました。

そうしたのには何か理由があったはずなのですが、すっかり思い出せません。調子が良いのは事実です。

変わったロッカーは、センター付近が緩やかです。ここで本当に滑ってくれるのです。前後の加重をニュートラルなイメージでヒザに体重を乗せていくと、ボトムターンが伸びます。

サイドフィンの後ろ辺りから、しっかり目のロッカーです。テールはワイド気味ですが、ボリュームが少なくなった(薄くなった)のとこのロッカーのおかげだと思います。ターンは軽くてスムースです。

ラウンドテールよりも波のフェイスをテールがキープしてくれます。ラウンドピンほど波に入って行きませんが、その辺のスピード感があるターンがスワローの面白さです。

最後に乗ったセットが最高でした。隣のポイントとつながり気味に、掘れ気味の壁を作ってくれるところに入った途端に凄いスピードで加速しはじめました。インサイドでプルアウトするまでに感じた波のパワーにゾクゾクしちゃいました。

スワローテールとラウンドテール、そしてシングルフィン。それぞれに面白さがあります。次はダイアモンドテールMINIです。

さて、ワックスのサンプルをいただきました。


せっけんメーカーさんが作ったというワックスで、100%天然由来成分だそうです。それが環境に良いかどうかはSEXワックスなどの石油由来のパラフィンワックスも生分解可能なので、個人の指向と嗜好のお話だと私は考えますが、このワックスが気になっているのは何より香りがいいことです。

天然成分100%なので、香りはかなりナチュラルです。蜜ロウと松脂由来の成分の香りなのかな?ヒバの樹などから抽出したオイルの香り、森の中にいるようないい香りなのです。薪割り人の私は、こういう香りが大好きなんです 笑。

ワックスとしての性能はテストされているでしょうから、もちろん大丈夫だと思います。ダイアモンドテールのMINIで試してみようと思います。




出来上がりました~。MINIモデルのダイアモンドテール。サイズは、6’8” x 22” x 2”3/4です。ボトムとレールは活さんの十八番、トライプレーンコンボボトム。ノーズからテールエンドのすぐ近くまではMINIのアウトラインですが、テールの形が変わると全体のイメージもかなり変わります。

カラーはイメージした通り完璧に仕上がっています。ほんの少しだけグレイが入った、さくら色のピグメントです。毎度のことではありますが、指定した色のニュアンスを正確に汲み取って再現してくれる職人さんの感覚と技術に感謝です。

ずっと続いている波ですでにテストされています。よく走るし、動きも良いそうです。でも作っているときから分かってました 笑。他のモデルもそうですが、調子いいボードは、どこから見てもいい形で、全体がまとまって見えるもんです。


ショップに置いてますので、見に来てください。オーダーもOKです。

台風7号からの東よりのうねりが入り始めてます。週明けには関東から東海のどこかへ上陸してきそうです。台風情報は常にチェックして、無理のないように楽しみましょう。





お知らせ:8月9日(水)はお休みいたします。よろしくお願いします。



AXXE CLASSICのオーダーフェアを開催いたします。期間中、フルオーダー料が無料になります。冬用のセミドライスーツ、秋用の3ミリ、2ミリのフルスーツ、シーガル、ロンスプが対象で、期間中は製品価格の約10%相当のオーダー料が無料になります。9月18日(月・祝)まで開催します。

詳細はMENEHUNE BEACH STOREのサイトをご覧ください。ウェットスーツの新調をお考えの方はお早目がお得です。

明日はお休みです。90歳になったお義母さんを花火大会へ連れていってあげようと思っていたのですが、台風のせいで雨かなあ?その台風のおかげで連日波乗りが出来ているのですが、ちょっと恨めしかったりしますが、通り道の沖縄九州の人たちはそれどころじゃないですよね。

MENEHUNE BEACH STOREウェブサイト


’FINE’という雑誌がありますが、この中の街紹介ページのテーマがメネフネのショップがある「町田」ということで、片隅にちょこっとだけ紹介していただきました。以前(かなり昔)はいろんな雑誌に載せていただいたり文章を書いたりもしたものですが、久しぶりなので何やら新鮮です。


FINEというと日焼けした3人、もしくは5人(奇数ですね)のモデルさんが、ギャルピースをしている表紙を思い浮かべてしまうのは、もうおっさんの証拠かな。すっかり今どきのサーフィン&ライフスタイルの雑誌に様変わりしています。(活字中毒ですが、雑誌はあまり…なので)

掲載された店を見ていると、新しく出来た店、私が今のショップをオープンした20数年前からあったお店などがいろいろで、個性的な店も多く、こうやって見ると町田も面白い街だなあと思います。

町田ってちょっとユニークな街です。駅はJRの横浜線(横浜-八王子)と小田急線(新宿-江の島、箱根湯本)の二路線が通っています。小田急線の乗降客数は新宿駅についで二番目の多さで、地方都市にしては多くの人が行き交う街でもあります。

地理的に神奈川県かと思われる節もありますが東京都です。私の住まいは神奈川県川崎市ですが、方角的には町田よりも東京寄りにあったりして、神奈川県と思われるのも仕方が無いのかとも思います。感覚が狂うというか、どこか変なのです 笑。

街の広がり方も変わっています。最近こそメネフネのショップがある場所の回りは、マンションばかりになってきていますが、少し前まで店の裏は老舗の和菓子屋さんだったり、職人さんの仕事場が並んでいたり(和菓子屋も仕事場も今はありません)、駅の方へ少し行くと町田名物のアーケードになっている仲見世商店街があったりと、駅から離れていても「駅前感」みたいな雰囲気が漂っています。

これはJRの町田駅があった名残りです。JRと小田急の駅が離れていて乗り換えが不便だということで、JRの駅が小田急線に近づく形で移転した結果、かつての駅前商店街だけが残された形になり、ひとつの街なのに駅前の雰囲気が二つあるのです。そんな街の成り立ちがあるので、町田駅の回りは広い範囲にお店がちらばっています。

かつてのJRの町田駅があったところは、私が車を置いている町田ターミナルパーキングという駐車場と、現在改装中のNINAというユニクロ所有の商業施設になっています(以前は東急ハンズ)。

メネフネが入っているビルもかつては、ジャズクラブのBLUE NOTEが入っていたり(今は南青山にありますね)、ホストクラブだったりとそういう街だったのです(avexもすぐ近くのマンションの一室から始まってます)。

今ではそんな雰囲気はすっかり無くなって宅地化(マンション化)していますが、ここのところ近くに増えてきたのが古着屋です。私はファッションはもうすっかり分かりませんが、聞けば知る人ぞ知るような有名店もあるそうです。言われてみれば、入店制限で入口に列が出来ているときもあります。先月は無人販売の古着屋なんてのもオープンしました。

私のところからはちょっと歩きますが、小田急線を越えたあたりにも古着屋が点在しています。都心より価格も安めで昔は「原宿の古着屋が(町田に)仕入れにくる」という冗談もあったくらいで、古着が好きな方は楽しめると思います。

サーフショップ的にはもっと海の近くがいいのかもしれませんが、回りにイロイロあって、イロイロ楽しめる街中のサーフショップというのもあっていいのかなあと選んだ場所です。ショップに遊びに来られるときには、町田という街のこともちょっと気にしてみてください。






ロングボードからミッドレングスやフィッシュ、ニーボードなどに乗り換えて、パドルがいまいちスムースじゃないという人。パドル力アップ云々の動画はいろいろありますが、そちらはとりあえず忘れて基礎をやりましょう。

短い動画で動きもシンプルなので、ちょっとだけ時間があるときなどさっと出来ます。簡単そうに見えますが、先生と全く同じ動きが出来たら絶対にパドル変わります。パドル出来るよ、という人も何か新しい気づきがあるはずです。


ボードが小さくなってパドルが安定しないのは、ボードと接している大きな部分、胸から骨盤までが安定しない(=体幹が使えていない)からです。この動画の動きは「胸から骨盤までの安定」という意識を高めてくれると思います。

それぞれの動きのポイントです。

1.呼吸(大事です) 
吸う時は肺に空気を入れ、肋骨(胸郭)を広げるイメージで吸います。そのとき、お腹は股の間からみぞおちまで腹筋を引き上げていくイメージで引き締めます。 

息を吐くときは、股の間から(お尻の穴を引き締める感じ(動画では骨盤底筋と言ってます))みぞおちにむかってさらに腹を引き締めていくイメージで腹を平らにします。

息を吸う時も吐くときも、腰の後ろに指が入るか入らないかくらいの隙間をキープします。床に仙骨、肩甲骨、後頭部がしっかり着いているのをキープします。

2.脚の動きと呼吸
脚を上げる、伸ばす、曲げる、回すとき、脚を動かすときは上の呼吸法で、呼吸と連動させます。動画の説明の通りにやってみてください。

動かすのは脚だけです。骨盤は固定、肩甲骨、肩は床に着けて固定。軽い負荷は腸腰筋などのインナーマッスルのトレーニングにもなるので、パドルだけでなく身体の動きが安定してきます。

3.背筋 
顔を上げて背中を反らすときは、腰だけを反らさないように。腹筋を引き締め、背中の方向へ入れておく(お腹と背中がくっつき合うイメージ)と、腰だけが反るのを防げます。上体を上げるとき、恥骨を床に押し付けるイメージがあっても良いです。目線は前ではなく、少し前方の床です。

うつぶせで腕を動かすときは、肩甲骨が頭の方へ上がってこないように、下げた状態です。

上体をふらつかせずに脚と腕を動かすということは、体幹を安定させるということです。これがピッタリとできるようになったらパドルは安定します。まずは手足を動かしてもブレない体幹からです。

パドルの動きとは関係無さそうだし、ぜんぜんきつくない(おっさんでも出来るのがミソ)ので効いていないように思えるかもしれませんがパドルに効きます。絶対です。パドルだけでなく、日常生活でも身体の動きに芯が出来てきます。

やるのみです。


悩ましいユーズドボードが入荷しました。何が悩ましいかと言うと、乗ってみたくて仕方が無い 笑。自分とお客さんと活さんとで作ったボードなので、どんなボードかよーく分かっているのです。カラーリングも好みですし 笑。

レングスは9’3”。ベースはクラシックログのB52ですが、ノーズライダータイプのB52とはロッカーを変えています。強くはありませんがボードのセンター付近から滑らかにテールまでロッカーが付けられています。ラウンドピンのテールとの組み合わせで、よりスムースに動いてくれます。

このテールのロッカーはTOTOとほぼ同じです。ボトムに加えられたスピードパートのシェイプもほぼ同じ。違うのはレールです。このボードはクラシックなソフトレール。エッジが無いソフトレールのルースさの分だけ、TOTOのスピードがスムースさに変わっているはず。

ノーズコンケーブは入っていません。ノーズからテールまでスムースに流れています。コンケーブが無いロングボードの滑り出しは、本当にスムースで速いです。自分が歴代乗ってきたログは全てコンケーブ無しでした。コンケーブが無くてもノーズは行けますが、このボードはそれよりも滑りのスムースさを第一に考えて作られています。

クラシックログにグライダーのスムースさを取り入れたロングボードです。コンディションはベリーグッドです。

ユーズドボードは、MENEHUNE BEACH STOREウェブサイト チェックしてください。


暑い日が続いているのとは関係ありませんが、ここのところ熱量が高いお問い合わせが多いです。お話をしていると、こちらもついつい熱量が高くなってしまいますが、クールダウンしつつ今日はニーボードのお話です。

熱量が高くなるのはよーく分かります。ニーボードにいくら興味を持っていたとしても、ニーボードの話を出来る人は回りになかなか居ません。ネットも含め、あらゆるメディアでの情報がほとんど無いのは昔も今も同じです。

独りで悶々と…しないかもしれませんが、そんなところへ話が出来る人が見つかったらついつい…なのです 笑。私だって同じですもん。

ニーボードを始めて、20年くらい経ちます。なにしろ情報が無いので自分でやってみるしかありませんでした。海外のニーボードをチェックしてデータを取ったり(盗ったり?)もしましたが、裏付けが無いし、材料も違います。出来ることは自分たちで使える材料を使って、可能性をさぐる試行錯誤だけです。

活さんが作ってきた過去のニーボードを基にスタートして、そこに自分がイメージするマニューバができるセッティングを少しずつ組み込んでいく、そんなことを繰り返して辿り着いたのが現在のラインアップです。

最初はスワローテールでした。活さんが昔から作っていたアウトラインです。

スワローテールはオールラウンドです。マッシーな波でもスピードを付けやすく、レールの切り返しが速いのでキビキビした動きをしてくれます。アウトラインが直線的でテールワイドがあるので、ドライブを感じながら大きなラインをトレースしていってくれます。

ラウンドテールは、テールのカーブが重要です。


テールが絞られている分、スワローテールよりも水へ入っていくので、テールで思い切り切り込んで行くような加重ができます。えぐるような鋭角なターンが出来る反面、スムースさもあります。テールのカーブをトレースしていく滑らかさです。この二つの性格の間で、微妙なコントロールが可能です。

どちらもトライフィンですが、異なるテールラインで荷重に対するレスポンスを同じにするなら、フィンのセッティングを微妙に変える必要があります。それが分かったのも試行錯誤の繰り返しの中からです。

こういう経緯だったせいか、アタマの中はすっかりトライフィンになっていたのですが、ここに来て注目し始めたのが、シングルフィンです。



シングルフィンの面白いところは「自由と曖昧さ」みたいなものだと思います。センターフィンは横滑りを防いで、ターンの軸を作り出しているだけ。方向舵のサイドフィンが無い、レールの抵抗だけによるコントロールはかなり自由です。

スピードはおそらくシングルフィンが一番。膝立ちの低い目線では、それが増幅されます。速くて、自由にルースに動き回れる、そんなのがシングルフィンの面白さです。

膝立ちで目線が低いニーボードは、スピードと波のパワーをより強く感じます。波をグライド(滑走)する感触。レールとフィンが効いてドライブしている感覚。そういうものがダイレクトに伝わってきます。

ボードとの一体感が強いのもニーボードです。体幹の動きがダイレクトにレールとフィンに伝わっていき、そのレスポンスもまたダイレクトに伝わってきます。

ニーボードはサーフボードのカテゴリーのひとつではありますが、スタンディングでは見えない世界、膝立ちの姿勢と視線になって始めて見えてくる世界があるのも確かです。そんな諸々がニーボードが持っている独自性であり、魅力なのだと思います。

個人的には、肩の痛みで思うようにパドルができ無い時や、腰痛の時に多いに助けられたのもニーボードです。そんなユニバーサルな面も持っているのです。






ショップに来られた方とBOOGIEのことを話していたら、改めてこのファットなボディを持ったツインフィンのことを書いてみたくなりました。今では活さんのシェイプのラインアップですっかりお馴染みの顔になっているBOOGIEですが、シェイパーの思い入れが詰まっているモデルでもあるのです。

BOOGIEの最初の一本が削られたのは2012年です。ミッドレングスに使うブランクスの「キモ」の部分だけを使っています。


ロッカーもボリュームバランスもほぼそのまま。ノーズからテールまでボリュームたっぷりです。これがBOOGIEのキャラクターを生み出しています。



形もシェイプも独創的なBOOGIEですが、そのデザインソースはと言うと1970年の初めごろまでさかのぼることになります。

ロン毛の人はヤング活さん。隣はリノ・アベリラです(活さんは普通に英語スピーカーですので、ちゃんとコミュニケーションできています)。


このときにリノ・アベリラが持ち込んだツインフィンがBOOGIEのベースになっています。その丸いノーズで幅が広いツインフィンが、日本の小さな波を驚くほどのスピードで走りまわっていたことが、ヤング活さんの頭の中に強烈に刻み込まれていたようです。

面白いのは同じことを、オーストラリアのマーク・リチャーズも言っていることです。サーファーズジャーナル日本版VOL.21 #5に、アンドリュー・キッドマンがマーク・リチャーズにインタビューしている記事が載っています。

そこに、マーク・リチャーズが最初のツインフィンをシェイプするきっかけになったエピソードが書かれています。こんな感じです。
「リノが持ち出してきたのは、クラシックなフィッシュスタイルのツインフィンでノーズが丸く、レールはストレート、テールは大きくて幅が広い。長さは5.6か5.8くらいで、小さな波の日にすさまじいスピードでラインを駆け抜け、アップアンドダウンして、波がほとんどなくなるショルダーまで乗りこなしてしまう…」

年代的には同じですので、おそらく同じボードか同じコンセプトで作られたボードを、活さんとマーク・リチャーズを見たのだと思います。(画像がおそらくそのボードです)


そのイメージを形にするため、使用するブランクス、ロッカーの取り方、ボトムの形状、それにフィンの形や取り付ける位置など、活さん自身が試行錯誤を繰り返して出来上がったのが、BOOGIEというモデルです。レングスは6’0のみというのも、他の長さを試した結果です。

KK FISHも、リノ・アベリラのそのツインフィンをイメージして作られたモデルです。2003年ごろですが、当時は最初のフィッシュブームが始まったばかりでした。当時、私も活さんにフィッシュ作りましょうと言ったことがありますが、ブームには乗らない活さんが独自の経験から作り出したフィッシュがKK FISHだったのです。(画像はKK FISHの最初の一本 2003年ごろ)


もう10年も作られているBOOGIEですが、10年の間そのままだったわけではありません。基本的な部分は変わりませんが、その後もいくつかのアイディアを試行錯誤し、良いものは取り入れてブラッシュアップされ続けてきました。

現在、ショップに置いてあるBOOGIEが最新版です。見た目は相変わらずファットなBOOGIEですが(笑)10年間の試行錯誤が詰まっているのです。

風が入った小波ですが、さすが上手に乗ってます。


MENEHUNE BEACH STOREウェブサイト





明日の午前9時の予想図。台風からのうねりは明日の昼くらいから届き始めると思います。問題は風です。太平洋高気圧による南風に加えて、この暑さが引き起こすサーマルウィンドで当分はオンショアがしっかり吹いてしまいそうです。早朝の風が弱い時間帯狙いが良いんじゃないでしょうか。

私は明後日が健康診断で、明後日は午前中に家の工事に立ち会う予定なので行けそうにありませんが、風吹きそうだし、まあいいかなという感じです。

最初からオンショアと割り切っていれば、楽しめるんじゃないかと思います。オンショアは後ろから風が押してくれるのでパドルが弱くなったおっさんにはいいかもです 笑。あとはワイプアウトしたときにボードが風で飛んでくるかもしれないので、海面に急に顔を出さないように注意するくらいですか。

夏のオンショアは仕方ないですね。しばらくオンショア続いているので、エボシも注意しときましょう。

話は変わって、久しぶりに古いハルのシークエンスを見ていて思ったのは、そろそろ出来上がってきそうな、6.8のダイアモンドテールのことです。


6.8のダイアモンドテールはハルシェイプじゃありませんが、あんな感じで乗ってみようと思っています。だって、かっこいいじゃないですか 笑。


ハルと違ってボトムはコンケーブが通っているし、レールやテールでのコントロール性はしっかりしていますが、動きは最低限に抑えて、活さんが作ったボトムが滑る感触を楽しみたいと思っています。


肩と腰はもう大丈夫そうです。復活です(たぶん 笑)。


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