MENEHUNE BEACH STORE 店主のブログ
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プロフィール
HN:
menehune
年齢:
59
性別:
男性
誕生日:
1964/09/15
職業:
サーフショップやってます
趣味:
ランニング、作文、お絵かき、料理、丸太切り、丸太割り、波乗り
自己紹介:
2001年のオープン以来、ロングボードをベースに、フィッシュ、ボンザー、シングルフィン、ニーボード、パイポとさまざまな種類のサーフボードを作り、試してきました。
 気が付けば還暦が近づいてきていますが、浮力を頼りにしながら、カラダもキープして、人生の荒波にチャージしていきたいと思っています。
 2006年に始めたこのブログ、サーフィンの他にランニングなどのフィットネスや食べ物、フツーの普段の生活のことなども綴っていきたいと思います。
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いつのまにか出来てしまった「シリーズシングルフィン」。きっかけはカツカワミナミサーフボードのグリーンのシングルフィンです。パドルしてテイクオフするときに感じるのは、目の前に見えているノーズのラインと自分の動きのフィット感。パドルする力をすっと吸い込んで滑り出してくれるように感じるのはもしかしてこのボードは私にとっての、「マジックなんとか」なのか。フィンを換えたらなんだかさらにヤバイ感じになってきました。

独りで盛り上がっているボード自慢(でもほんと良いんです)はとりあえず置いておいて、どうして今の時代にシングルフィンなのかということを考えてみようと思います。

まず最初におことわりしておきますが、ここで言うシングルフィンというのにはロングボードは含まれません。70年代を代表するようなシングルフィンのサーフボードのことだと思ってください。



シングルフィンは正直言って人気ありません。先日、ふらりと遊びに来た方が「今スラスターのショートボードに乗っているんですが、ちょっとサーフィンを変えてみたいと思ってるんです。何かいいのないですか」と言われたので「シングルフィンはどうですか?」と言ったら「シングルだけは勘弁してください」と嫌われてしまいました。

そこまで嫌わなくても…と思いましたが、もしかするとあれが普通の反応なのかなあとも思いました。う~ん、でも好きな人はものすごく好きなんですよね、シングルフィン。

普段トライフィンに乗っている人から見ると、シングルフィンっていったいどんな風に見えているんでしょう?

そこでまず基本に戻って、トライフィンとシングルフィンの違いから考えてみることにしました。

そんなこといまさら、と思われたかもしれませんが、まあとりあえず考えてみましょう。最初から決め付けてしまうのではなく、わかりきったことでも改めて考えてみることで違う見方が出てくる「かも?」しれません。

そうやって考えているうちにシングルフィンに何かを感じてくれて興味を持ってくれる人が一人でも多く出てきてくれたら嬉しいなあと思います。



1980年にサイモンアンダーソンが考案したというトライフィン。いまや世界標準です。3本のフィンを組み合わせることによって、サーフボードの動きを飛躍的に向上させました。

トライフィンの凄いところはサーフィンの動き、ボトムターン、トップターン、カットバックなどボードへの加重に応じて、サーファーがやりたいことをより楽に行えるように作られていることです。

3本のフィンをそれぞれ見てみると、サーファーが求めている動きを効率よくサポートしているのが分かります。

センターフィンはサーフボードの真ん中にデッキに対して垂直に立てられています。フィンの両方の面が丸く曲面にフォイルされて真上からみると細長い流線型をしています。

あとの2本はセンターフィンよりも前方、レールの近くに取り付けられます。取り付けられる角度はデッキの面に対しては垂直ではなく、レールの方向、外側に開くように傾けて、進行方向に対してはフィンの前部が内側方向へ、つまり少しノーズ側を向くように取り付けられます。フィンのフォイル形状は内側が平らで、外側が流線型にふくらんだ曲面になっています。片面フォイルと呼んでいる形状です。

このサイドフィンの取り付け角度は、サーファーがボードをターンさせようとボードを傾けたときにボードをターンさせようとする方向へ自然に向かうように考えられています。方向舵の役目です。

さらに内側が平らで外側がふくらんだ曲面になったフィンのフォイルは飛行機の羽と同じように揚力を発生させターンをさらに後押しして、ボードを回転させようとする力が生まれます。

正しい方向へ体重を乗せて傾けると、自然と3本のフィンがターンさせてくれるように海面に対して働くのがトライフィンの凄いところです。

一方、シングルフィンには自然とターンさせてくれるようなしくみはありません。ボードをターンさせてくれる方向陀であるサイドフィンは無く、1本の大きなフィンがテール近くに付いています。

ターンをするときにはサイドフィンの代わりにレールを波に食い込ませます。食い込みやすいようにレールにエッジが付いているかもしれませんが、トライフィンのように舵となってボードを回転させるフィンは付いていません。フィンと左右のレールを使って波のフェイスでサーフボードを支えながらボードをコントロールします。

抵抗を作って、抵抗が大きくなった方へとボードを回転させているイメージです。トライフィンと比べると、ターンが重たく感じるのはそんな理由です(「重たい」ということは肯定的に、ターンが重厚、ラインが太い、大きなラインなどのようにも言えます。)

サイドフィンはボードを波の上(波のトップではボトムへ、もしくはカールの方向へ)へ向かわせようと作用します。波を横へまっすぐ走っているときには逆にこれが抵抗になる可能性があります。シングルフィンはそれが無い分海面への抵抗が少なく、よりスムースに波を滑る感覚を乗り手に与えます。抵抗が少ない分(トライフィンよりも)スピードが速い場面もあると思います。

シングルフィンでのサーフィン、イメージしてみてください。海でシングルフィンのボードに上手に乗っている人を見ていると、乗り手の動きとサーフボードの動きがきれいに調和しています。シングルフィンの肩を持つ私はそんな波乗りが好きです。

ちなみに「シングルだけは勘弁してください」と言った人は、「フィッシュに乗ってみたい」と言っていました。ぜひ乗ってみて欲しかったので言いませんでしたけど「フィッシュはシングルフィン」です。スティーブ・リズ氏やスキップ・フライ氏のフィッシュにウッドキールフィンを提供しているラリー・ゲファート氏のお言葉です。

「シリーズ・シングルフィン」 たぶんまだ続きます。

シングルフィン研究のために引っ張り出してきたハル・ジャプセンの古いサーフィン映画のDVD。コスミック チルドレンが大変なことに…。ちょっと見えてるSUPER SESSIONも好きな作品です。


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