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プロフィール
HN:
menehune
年齢:
59
性別:
男性
誕生日:
1964/09/15
職業:
サーフショップやってます
趣味:
ランニング、作文、お絵かき、料理、丸太切り、丸太割り、波乗り
自己紹介:
2001年のオープン以来、ロングボードをベースに、フィッシュ、ボンザー、シングルフィン、ニーボード、パイポとさまざまな種類のサーフボードを作り、試してきました。
 気が付けば還暦が近づいてきていますが、浮力を頼りにしながら、カラダもキープして、人生の荒波にチャージしていきたいと思っています。
 2006年に始めたこのブログ、サーフィンの他にランニングなどのフィットネスや食べ物、フツーの普段の生活のことなども綴っていきたいと思います。
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先日、ご紹介した動画の別バージョンです。ウルワツでのシングルフィンコンテスト。何度見てもカッコイイ。見ていると思わず声が出てしまいます。

マルチフィンのサーフボードと比べると、シングルフィンのサーフィンはそのラインが全く違うのが良く分かると思います。トライフィンだったら、ボトムターンからグンと縦に波を上がっていってリップ、という動きになるような場面でも大きなターンでスピードに乗って波の先へ走って行き、広いフェイスで大きな弧を描くターンでカールへと戻ってきます。

メインになるコントロールをレールで行うシングルフィンは、加重のポイントもトライフィンとは違ってくるので自然とそういうサーフィンになってきます。

トライフィンの加速とコントロールは、レールコントロールにプラスして三本あるフィンを有効に使う必要があります。トライフィンはスラスターとも呼ばれますが、加重で推進力(スラスト)を得るための加重ポイントが決まっていて、そこを外すとびっくりするくらい動かない。

よくスラスターのショートボードに乗っている人がレールサーフィンを覚えるなら、シングルフィンに乗るのが良い、と言うのを聞くと思いますが、私はそれには少々疑問ありです。そもそもの乗り方が違うのです。(それでは何が良いの?と聞かれたら、クラシックなフィッシュなんかが良いのではないかと思ってます。レールを使わないとほぼ加速してくれないし、ターンのときはレールを使いつつも、後ろ足をステップバックしてトライ同様にテールをしっかり踏む必要があります。)

ツインピンは乗れません 笑。3ラウンドやってもコントロールの感覚がつかめず、横に滑るだけでもギクシャクしてまともに滑らせることができなかったので、私には合っていないと諦めました。なんとなくなら乗れると思いますが、ツインの特性であるマニューバの素早さを際立たせるような乗り方は無理です。ツインに乗って、ただ動きが良いなあというだけならシングルで十分だと思い諦めました。
おなじツインでもロングフィッシュ(プリモフィッシュ)とクラシックなフィッシュは別です。フィッシュテールの幅があると大丈夫みたいです。ちなみにトライは、しばらくやっているとコツが分ってコントロールできるようになります。


シングルフィンはいろいろ考えなくて良いのが好きです。シャーっと滑っていって、ダーっとターンして戻ってくるだけです 笑。マルチフィンと比べると、加速もボードの反応もワンテンポ遅れますが何よりスムースで速い。スピードはシングルフィンが一番です。

その感覚をさらに発展させたのが、カツカワミナミサーフボードのPRIMOというモデルのボトムデザインである、トライプレーンコンボというボトムです。VEEが入らないコンケーブボトムはスピードは最高でも、動きが悪くなります。それをレールの形状でVEEのような効果を持たせ、ボトムの水流をリリースしてターンを軽くするデザインです。

他のシングルフィンモデルも同様のシェイプがされています。このデザインが初めて登場したのが、2010年ですからもう14年です。その間にいろいろとブラッシュアップされながら、多くの方々に支持されてきました。シングルがお好きな方には、ぜひとも乗っていただきたいデザインです。

このプリモとは違う流れになりますが、やはりシングルフィンでクラシックなダウンレールとの組み合わせをいろいろと試そうとしているのが最近の取り組みです。プリモのコンケーブボトムはもちろん最高なのですが、フラットとVEEの組み合わせのシンプルなボトムとダウンレールとの組み合わせもエッジが効いていて面白いのです。

TOTOというダウンレールのロングボードが調子良く、そこからの流れとも言うことができますが、シングルフィンの時代である70年代のデザインです。活さんにとっては形だけでなくリアルタイムで作って乗ってきた、熟知しているとも言っていいデザインです。

まずは乗り慣れた8’4”のプリモで作ってみます。ラウンドピンではなく、テールをスクエアにしたアウトラインで作ってみようと考えています。自分の中で、8’4”のあの感じとダウンレールのあの感じをマッチングさせてイマジネーションを膨らませております 笑。



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このくらいのサイズの波になると、シングルフィンのスピードとマニューバーのFLOWがさらに引き立ちますね。

やっぱりシングルフィン最高です。



ラウンドノーズのダイアモンドテール、二本シェイプされていました。どっちにしますか?と聞かれ、5’8”のニーボードにボトムがより似ているように見える左側を選びました。もう一本もテストボードです。

同じボードを同じサイズでシェイプしても、手作業には微妙な差が出ます。テールのラインはこちらの方が好きです(良いんじゃなくて’好き’)。活さんが何か説明してくれていますが、忘れました 笑。


可愛い色でラミネートしちゃおうと思います 笑。デッキは6オンスを三層で、しっかり重めに仕上げます。重量はシングルフィンでは大切な要素のひとつです。

前回の台風で、活さんは某クラシックポイントで波乗りされたそうですが、「(短い)シングルフィンに乗ってる人がすごく多かった」そうです。AC SHAPEの新井くんと話をしても、シングルフィンの引き合いが多いと言います。

シングルフィンに重量は大切と書きましたが、重量はシングルフィンのマニューバを特徴付ける要素のひとつです。トライフィンはデッキを踏み込むことでレールと同時にサイドフィンの作用で加速します。アップス&ダウンズというやつです(アップスーンって言ってるのを聞くと「変なの」と思うのは私だけか?)。

シングルフィンにはもちろんサイドフィンはありません。トライフィンとシングルの違いもよく取り沙汰されるようになってますが、大きな違いはトライフィンでのサイドフィンを使う動き(身体もボードも)はシングルフィンでは役に立たないというか、それらしくありません。

加速するのにレールを使いますが、サイドフィンは無いのでその動きは自然と大きくなります(トライのつもりでパタパタやると逆効果です)。

ターンも同じです。数年前(調べたらもう10年近く前でした 笑)にシングルばかりじゃなく、トライフィンに乗ってみようと7’7”と6’4”を作って乗ってみて、あらためてトライフィンって凄いと感じました。

トライフィンとシングルフィンの違いは2016年5月のブログに詳しく書いています。

シングルフィンは大きなラインでと良く言われますが、デッキをパンパン踏み込んでもトライフィンのように加速しません。デッキへの加重はじっくりとで、加速は波の上でのライン取りです。波のチカラを利用することが重要です。それにはレールをしっかり使うことです。フィンと乗り手の加重で加速できるトライフィンと違って、しっかりとした重さがある方がシングルフィンのサーフィンに合っていることがイメージできると思います。

レールとボトム、ロッカーをより強く感じるのもシングルフィンだと思います。加速と言うより、より速く波を滑ること、そしてボードをターンさせるのに多用するからです。

今回のダイアモンドテールのソースはこのシングルフィンのショートボードとMINIモデルです。


もう、これ最高です(笑)という声がたくさん届いているダイアモンドシングルのロッカーとボトムとレールを、楽しい楽しいファンエッグ(笑)のMINIモデルとくっつけました。楽しくない訳はありません。


ショートボードならダイアモンドシングルかLOVEE。エッグは小さいMINI2と6’8”のMINIモデル。ミッドレングスならプリモです。シングルフィンに乗るなら、ぜひ活さんのシェイプに乗ってみてください。








たまには活さんシェイプ以外のボードに乗ってみようと、こんなボードを手に入れました。デイブ・パーメンターがシェイプするウィドウ・メーカーです。サイズは、6’6”x 21”1/4 x 2”7/8。

一見すると、シングルフィンにサイドバイトを付けたシングルスタビライザーに見えます。

でも、よく見て下さい。シングルスタビのセッティングとはなんとなーく雰囲気が違うのが分かると思います(シングルスタビを持ってないと分からないか…)。


違うのはサイドバイト、サイドフィンのセッティングです。取り付ける位置や取り付け方が違います。もちろんサイドフィンとしても機能すると思いますが、それよりもシングルフィンのサーフィンでのレールワークを補助する存在です。

乗っているときはサイドフィンの存在を忘れて、センターフィンだけのつもりで乗ります。ボンザーフィンみたいな存在と言っても良いかもしれませんが、ボンザーよりは大きさが控えめです。

ウィドウメーカーなんていうと、パワフルなサーフィンのイメージがありますがボードのサイズ的には普段の波乗りから使えると思います。アンドリュー・キッドマンの「SINGLE」でデイブ・パーメンターがステファニー・ギルモアにチャネルのシングルをシェイプしていますが、あれはもっと細身でした。このボードは私でも楽しめそうなサイズです。もしかするとデイブ・パーメンターは日本向けのサイズにしたのかもしれません。

Single - Studies of Movement - featuring Stephanie Gilmore from the Spirit of Akasha sessions by Andrew Kidman from Andrew Kidman on Vimeo.



加えて、どうしてもこのボードを欲しくなってしまったのはそのシェイプです。


フラットデッキにクラシックなダウンレール。パドルで胸を乗せるあたりに一番ボリュームがあるシングルフィンならではのバランス。クラシックです。

この方がシェイプするシングルフィンと良く似ています。これもダイアモンドテールです。


波が上がったときの楽しみが一つ増えました。


ゴールデンウィークの残りの二日間はお休みさせていただきます。家の周りで楽しみたいと思っています。

マドンナのHOLIDAYとクリフ・リチャードのSUMMER HOLIDAYをまさにMIXした、HOLIDAY RAPは86年。若かりしころクラブで踊りましたね~。




サルタンオブスピード、テリー・フィッツジェラルドのジェフリーズベイでのサーフィンです。シングルフィンでのサーフィンの映像はたくさんありますが、未だにこれ以上のものはありません。

スピード、グライド、スタイル。これぞシングルフィン!と思います。


何回見てもゾクゾクしちゃいます。シングルフィン乗りたくなります。






シングルフィンと言いつつ、最初はトライフィン。MINIのユーズドボードが入荷しました。TEDさんとのダブルネームです。幅はオリジナルのMINIよりも少し細め。ボトムはオールVEE+ダブルコンケーブで軽く動いてくれそうです。

良く使われていますが、ラミネートなどまだしっかりとしています。活さんのボードは丈夫ですね。五萬円也。MENEHUNEウェブサイトからご覧ください。

さて、お題のシングルフィンです。活さんはまたまたこいつをシェイプ中でした。


ダイアモンドテールのシングルです。レングスは6’4”。


このシングル、ここのところ仲間内で盛り上がっているのですが、実際のところかなり調子良いシングルです。

最初の一本はこれです。もう9年前です。覚えてますか?レングスは6’2”でした。

70年代のシングルフィンの時代をリアルタイムでプロフェッショナルのサーファーとして活躍されていた活さんに、当時乗っていたボードで一番調子良かったのを作ってくださいとお願いして作ってもらったのがこのダイアモンドテールのシングルです。

当時ロングボードやミッドレングス、フィッシュなどいろんな種類のボードに乗っていたのですが、そんな中で自分の波乗りのスタイルをあらためて考えなおしてみようと考えて選んだのがシングルフィンでした。

いろんなコンディションで使ってみましたが、台風の波はもちろん、小波でもオンショアの波でも楽しめるボードです。

国内では活さんしか使っていないという品番のブランクスを使います。このロッカーとボリュームのバランスに調子良さのヒミツです。


レールを多用するシングルフィンでは、私たちが考えている以上にボリュームのバランスは重要です。形だけシングルにしてもダメだということですが、そのあたりはやはりシングルフィンの時代に活躍していた活さんならではのシェイプなのだと思います。



それを裏付ける話として、昔のブログを貼り付けてみます。以前アンドリュー・キッドマンの写真集のひとつにステファニー・ギルモアがデイブ・パーメンターがシェイプする6チャネルのシングルフィンでキラの波をサーフしているところを撮影した「SINGLE」という作品がありました。

この写真集に関する記事が、サーファー・ジャーナルVol22 #3に載っているのですが、その中にこんな文章があります。

(スナッパー・ロックスでのコンテスト セミファイナルにおいて)
ステファニー(ギルモア)のスピードを得る動きは微妙で、まったく力を使わず、ボードまかせで走るところを走りターンにつなげるときだけ力を使う。私は彼女のこの動きに、マイケル・ピーターソンが「モーニング・オブ・ジ・アース」で表現した優美さそのものを見た気がした。

(デイブ・パーメンターのシングルフィンでの最初のセッションを終えて)
ボードを見て、触ってみた感じでは厚すぎる気がしたし、いまとはまったく違う感想を持っていたけど、とにかく楽しめればいいやと思って、何も言わなかったの。
で、乗ってみたらまったく厚みを感じることはなかったし、逆にその厚みがよかった。フォームの配分が完璧だと感じたわ。


前日から吹く北風で面はスムースではなかったものの、ステファニーがボードの厚めの部分を使い、スピードポイントを発見しグライドする映像を見て、あらためて心を奪われた。


活さんのダイアモンドテールに乗ると、まさにこんな感じです。ノーズ寄りにボリュームがある厚めのレールですが、波に乗ると厚みは全く感じず、それがとても機能しているのを感じるのです。(他のモデルでも同様に感じます)


フィンに関してもイロイロと教えてくれたボードでした。最終的に自分に一番しっくりきたのはこの形、活さんの7インチです。


一般的に良く使われているのはこんな形だと思います。


それぞれに違いがあります。フィンだけでなくボードのシェイプとも関係してきます。それぞれのフィンで違いは大きく出てきますが、どう違うかということには枚挙にいとまがありませんので、そのうちまた書いてみたいと思います。


ダイアモンドシングル、今回は9年歳を取った分2インチ長くして6’4”で行こうと思います。オーダーもOKです。

こっちはモダンなプリモ系ですね。クリックしてVIMEOサイトで見て下さい。

must we burn the single blade from The Surfer's Journal on Vimeo.

ミッドレングスというカテゴリーが脚光を浴びたおかげだと思いますが、ここ数年でシングルフィンのサーフボードもすっかり市民権を得たのではないかと思います。

ネットの動画でも、シングルフィンは普通です。ボードの長短にかかわらずなんでも上手に乗りこなしてしまう若いサーファーたちが、かっこよくシングルフィンに乗っています。

新しいのも良いのですが、こんな昔の映像も私は好きです。シングルフィンしかなかった時代の最先端のサーファーが乗るシングルフィンです(映像にはスラスターも出てきますが)

サルタン・オブ・スピードと呼ばれた、テリー・フィッツジェラルドの有名なシーンです。スピードももちろんですが、すごい気持ち良さそうです。

スラスターよりもシングルフィンの方が速いのか?と言うと、答えはイエスでありノーでもあります。崩れていく波に沿って滑っていくときには、シングルフィンの抵抗の少なさにはスピードを感じます。このときばかりは、スラスターのサイドフィンは邪魔だと感じます。スピードに関わらず、波を滑る感触の気持ち良さには邪魔ものです。

加速させようとデッキを踏み込んだり、カールへ戻ろうとカットバックに入るとスラスターはスピードを感じます。加速感はシングルのくらべものになりません。波乗り全体を見ていたらスラスターの方が速いと感じると思います。上の動画で比べてみてもそんな感じです。

シングルとスラスターでは滑るラインが違うのです。スラスターでシングルのように滑るんだったらシングルの方がスムースで速くて、数倍気持ちが良いと思います。



シングルフィンでもっとスピーディにマニューバすることも可能です。それを可能にしたのがボンザーです。ボンザーには2~4つのサイドフィンが付いていますが波を滑る感触はシングルフィンです。

シングルフィン乗りがスラスターに乗ると最初はコントロールできずに手こずるものですが、ボンザーだとすぐに馴染みます。それでいてスラスターのような動きもできるのがボンザーです。

方向舵(サイドフィン)がついているスラスターのサーフィンはどうしても同じようなラインになってきますが、フィンは直進用が一本だけであとはレールで方向を変えるシングルフィンのサーフィンは、乗り手の個性とスタイルが出ます。

スラスターではパフォーマンスの方へ頭(思考)が行くと思いますが、シングルフィンはその辺は自由です。乗り手が自由に楽しめるのもシングルの面白さだと思います。



たまにスラスターに乗るとトライフィンはいろんな動きができてスゲーと思うし、それからシングルに乗るとこれがまた気持ちが良い。どっちもやると、それぞれがより面白くなるんじゃないかと思います。






腰と股関節が痛くなりそうなサーフィンですが、Leviさんのサーフィンが好きです。不動の体幹のジョエル・チューダーのサーフィンとはかなり違うスタイルですが、それぞれのスタイルを生み出しているのがシングルフィンのサーフボードです。

シングルフィンはレールとボトムと一本のフィンだけでサーフィンをします。一本のフィンは真っすぐ前を向いています。サーフボードの舵取り(サイドフィン)がテールに集まっているトライフィンと比べると、シングルフィンはボードの舵取りをする部分があちこちにあります。

ジョエルのように、後ろ足でしっかりとテールを沈めてボードの向きを変えるのがクラシックなロングボードの基本ですが、Leviさんのサーフィンはかなり無茶なところでボードをコントロールしています(やっぱり股関節痛くなりそうです)。

トライフィンだとなかなかこうは行きません。何年か前にトライフィンのミッドレングスにも乗ってやろうと考えたことがありましたが、最初はまったくコントロールすることができませんでした。シングルに慣れた身体では、動かない。

トライフィンは、名前のとおりフィンが三本です。一本は真っすぐ前を向いている直進安定性。両側の二本はボードをターンさせるため。両側のフィンが機能してくれる位置に後ろ足を載せてコントロールする必要があります。その位置を外れると面白いくらいにボードが動きません 笑。

正しい位置に後ろ足を載せれば、逆にこんどは面白いくらいに加速するし、ボードはスピードと方向をキープしたままずーっとターンしていってくれます。トライフィンは、マニュアルどうりに扱う必要があります。

一本のフィンとレールでサーフィンするシングルフィンはそういう意味においてはルースというか、ボードコントロールの自由さに幅があります。その自由さから、融通無碍とも言えるLeviさんのサーフィンが生まれています。

ボードをしっかりと押さえ込むように体重を乗せ、ボードを重厚に正確にコントロールするジョエルのサーフィンも、Leviさんのダイナミックでトリッキーなサーフィンもシングルフィンだから生まれてきたスタイルだと思います。

シングルフィンは自由に楽しむ乗り物なのです。





FIN

WAHOOフィン(8.75インチ)です。ユーズドボードでお出ししている、6.8のスタビーにはこれを削って小さくしたものを使っていましたが、そのフィンはシングルのニーボードでも使いたいので、もう一本同じものを作ることにしました。

大きすぎるフィンはシングルフィンのスピードと動きのロスになります。どうもちょうどいいフィンが見つからないという方には、こんな方法もあります。電動工具は使わずにオール人力で挑戦です。

まず他のフィンを使って、アウトラインを引きます。見にくくてスイマセン。


線に合わせて削るのですが、全部削るのは大変なので、不要な部分はあらかじめ切り取ってしまいます。電動工具があれば簡単ですが、店にはドリルくらいしかありません。どうしようかと考えて、100円ショップで鋸を買ってみました。


こんなので切れるのかいなとやってみたら意外をサクサク切れます。でもさすがに100円、ここでもう刃が終わりました。でもここまで行けばあとは削れそうです。


残った部分をヤスリで削っていきます。


30分くらいでアウトライン完成。ノコギリが終わらなければもう少し早かったと思います。


削った面は平らなので、フィンの形に整えます。切り口の断面のセンターに印をつけ(目分量です)見やすいようにテープを貼ってから削ります。


こんな感じで、印を着けた断面のセンターが一番高くなるように両面から削っていきます。そんなに難しくありません。ヤスリでどんどん削れます。


こちらも30分ほどで出来上がりです。


サンディングブロックに耐水ペーパーを巻いて表面を滑らかに仕上げて出来上がりです。右が最初の形です。1インチ強、低くなりました。


これで、6’8”のスタビーのフィンはばっちりです。

こちらは、9’0のプリモに使う予定のフィンです。左は10インチのプリモフィンを上のフィンと同じように切り詰めて9インチにしたもの。右のは同じく約9インチのレイクフィンです。


こんな感じです。回転性が上がりそう。早く試してみたいです。


シングルのフィンについては以前にこんなことを書いています。シングルフィン、いろいろと面白いのです。

7インチのフィン。活さんのテンプレットのフィンです。形としては70年代、シングルフィンのショートボードの時代に使われていた形だということは皆さんご存知だと思います。70年代当時の映像を見ると、これと同様の形のフィンが付いているのを多く見ることができます。

でも現在ではこの形を見るのは、ボンザー用のセンターフィンとして作られているのを見るくらいです。このフィン、個人的には好きなフィンなので少し残念です。大抵のシングルフィンに使えて、調子いいフィンなのです。

シングルフィンのボード(今回はロングボード以外でのお話です)に乗る人は興味を持っている人も含めて増えてきていると思います。海で見かけると興味があるのでついついチェックしてしまいますが、付いているフィンはこんな形のフィンが多いです。

トゥルー・エイムスのホームページから借りてきました。言わずと知れた、ジョージ・グリノウデザインのフィンです。イルカの背びれのレイクをヒントに作られたという名品です。

細身で、レイクが入ったきれいな形です。活さんのフィンではベースが狭いですが、WAHOOという形が同様のタイプとしてあります。

グリノウフィンの原型が作られたのは、1960年代の終わり。サーフボードの主流がロングボードだった時代のことです。ジョージ・グリノウのスプーンに使われていたこのフィンをロングボードに応用することで、新しい流れが生まれてきました。

このフィンが乗り手と作り手に大きな影響を与え、サーフボードのデザインとマニューバを変え、時代も変えてしまったと言ってもいいくらいに当時は革新的なデザインだったのです。それが、現在でもスタンダード的な存在として使われています。

どちらのフィンも現在のシングルフィンで使えるフィンなのですが、二つのフィンの違いを考えてみると、いろいろと面白いことが見えてきます。


グリノウフィンタイプは、レイクが効いているのでターンのときにはフィンの先端が粘ってくれます。ホールドしてくれる感覚です。一方の70sフィン(と呼ぶことにします)は、背が低くレイクも少ない分、ボードはルースになってきます。(同じボードで、同じ位置にセットしたという前提です。単純比較と思ってください)

スピードに関しては70sフィンの方が速くなります。フィンが小さいので抵抗が少なくなります。高さとレイクがあるグリノウフィンタイプはフェイスをキープしようと働くので、波を滑り降りて行くスピードが遅く感じます(これも実際に何度か試してみて以前から感じていることです)

グリノウタイプのフィンが持つこのホールド力は、60年代後半に登場したVEEボトムやハルのようなデザインでは、ボードコントロールの上で重要なパートを担っていると言えます。

その後に登場してきたダウンレールというレール形状は、VEEボトムやハルのレールよりも、レール自体のホールド力とコントロール性が飛躍的に向上しているレール形状です(現在のシングルフィンでは、コンケーブやエッジという概念も加わっています)。

そうなってくると、使用するフィンにあまり主張が強く無いものをという選択肢も自然と出てきます。フィンに頼る部分少なくなっているとも言えると思います。

実際、60年代の終わりから70年代の初めにかけて(ボードデザインの進化にともなって)活さんたち当時のサーファーたちは、フィンを削ってどんどん小さくしていったそうです。

そうやって生まれてきたのが、最初にご紹介した70sタイプのフィン形状です。

それに関して、ネットに面白い話がありました。コーキー・キャロルのExploring the side slip dimensionという文章です。
https://www.ocregister.com/2017/01/13/corky-carroll-exploring-the-side-slip-dimension/

フィンの発明から始まって、シングルフィンのショートボードの時代になると波の奥のいいところをキープするためにサーファーたちはテールスライドを使い始めたというお話です(スラスターのテールスライドとは違います)

こんな文章があります。
Gerry Lopez was real good at that and wowed the crowd at the U.S. Championship at Huntington Beach by doing one right next to the pier on a pretty good-sized wave in 1969.

thatはその前に出てくる、the “tail slide” to slip down wave faces and fit themselves deeper in to the pocket.という部分を指しています。

さらに面白いのは、活さんが良く「ジェリーさん(ロペス)が最初に登場してきたとき、サイドスリップがすごく上手だったんだよ。」という話をよくしてくれることです。上のコーキー・キャロルの話と重なってくる内容です。

古い映像で、MP(マイケル・ピーターソン)がキラの波を滑っているときに、波のトップからボードを真下に滑らせるように降りて、そのままきれいにチューブに入ってしまったのを見たことがあります。

70年代はシングルフィンオンリーの時代でしたから、プロのトップのサーファーたちも全員シングルフィンに乗っていたわけです。自分とボードに合わせてフィンを削って、よりスピードが出るように、スライドしすぎないように、チューンアップしていたのだと思います。

そうやって考えてみると、シングルフィンというのは私らが考えている以上にまだまだ奥があるのだと思います。1本のフィンとレールを使ってサーフィンをするシングルフィンは、シンプルだと思います。でも単純じゃないということです。

シングルフィン、やっぱり面白いです。

ベン・アイパ。シングルフィン。リンク先でフルムービー(3分)見てみてください。




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